2020/05/04 13:51





岐阜に生まれ、川で育つ。大学では水産学部に進学し、鮎の生態を研究。「川で生きる大人になる」という夢を叶えるため、27歳で川漁師の世界へ飛び込む。現在、一人前の川漁師になるべく精進中。漁舟「結の丸」船長。長良川漁業協同組合総代。



長良川を明日へつなぎたい。
若き川漁師の挑戦


清流長良川で今、注目の若手川漁師
岐阜の町の中心部を流れる長良川。岐阜県郡上市にその源を発し、伊勢湾にたどりつくまでの全長はおよそ165キロ。長良川は、本流にダムのない貴重な川としても知られています。
この川にはアユ、サツキマス、ウナギ、アマゴ、モクズガニ、オオサンショウウオ、ウグイ、テナガエビ、タナゴなど今なお自然の資源があり、川と共に生きる川漁師が暮らしています。
高齢化が進み、後継者も途絶えていた長良川の川漁師の世界で今、一人の青年が活動を始めています。彼の名は平工顕太郎さん。長良川に久しぶりに現れた若手漁師として注目を集めています。




川が好きだからこそ、
川で生きていきたい



子供の頃から川と魚とりが大好きで、川が一番の遊び場だったという平工さん。川魚と川で生きる人たちに魅せられ、いつしか自分も「川で生きる大人になりたい」と思うように。
その夢を叶えるため長良川の川漁師の一人である服部修さんに弟子入り。服部さんに学びながら、技術の習得に向けて日夜経験を重ねています。
i以前は5月から10月までの鵜飼シーズンは、毎夜鵜匠の船頭として長良川の鵜飼にも携わっていました









金華山を間近に臨む、長良橋から鵜飼大橋の間が平工さんの漁場。ここで5月から11月までの約半年間、長良川の天然鮎を追いかけます。サツキマスやウナギが獲れることもあるそう。
漁師にとって一番大切な道具は川舟ですが、もう岐阜には川舟を作る舟大工はいません。そのため古い舟を譲ってもらい、服部さんら漁師仲間のサポートのもと修理し、大切に使っています。
「川漁師がいなくなると、漁法はもちろん漁具などの伝統用具も消えてしまいます。また川の変化に一番に気付くのは、毎日川にいる漁師です。川漁師になることは、川を守り、川文化を継承することだと思っています」。
長良川を明日へつなぎたいと、平工さんは使命感をもって日々川と向き合っています。


川を守るためにも、鮎の美味しさを伝えていきたい




長良川には20もの鮎の漁法が伝えられています。平工さんは普段、深夜から明け方にかけて、火振り網漁を行っています。
「天然鮎は、オリーブオイルをくぐらせたようにつややかで、本当にきれいなんですよ」。
鮎が網にかかるとスイカのような香りがふわっと漂って、なんともいい匂いがするそう。
「一般家庭の方、特に私と同世代の若い人にぜひ、長良川の天然鮎を食べてもらいたいんです。
鮎のおいしさを知れば、長良川からこのおいしい鮎を無くしたくない、川を守りたいという気持ちにつながるんじゃないかな」。
長良川の魅力を伝えたいという思いから、川舟に乗って自然体験をするエコツアー「結の舟」の運営も行っています。平工さんは伝統を受け継ぐとともに、新しい時代の川漁師を目指しています。




長良川の天然鮎の味をより多くの人に届けたいと、一夜干しや赤煮など加工商品の販売も行っています。赤煮とは川漁師に伝わる調理法のひとつで、鮎を醤油と酒、ザラメでさっと煮たもの。甘露煮とは異なり、魚の身を白いまま仕上げます。調理は栄養士と調理師の資格を持つ、奥さんの沙織さんが担当。川漁の師匠、服部さん直伝の味です。
「鮎は塩焼きが一般的ですが、赤煮も本当においしいんですよ。一見味が濃いように思えますが、口にするとサラッとしていてまた違う鮎の風味が楽しめます」と沙織さん。
長良川の天然鮎のおいしさは格別です。若き川漁師、平工さんの獲った鮎・そして世界農業遺産に認定された長良川の鮎をぜひ体験してみてください。



おすすめ鮎レシピ





若鮎の素揚げ&天ぷら

油温は比較的低温の160度前後で、何もつけずにさっと揚げてください。若鮎は骨が柔らかいので、頭からすべて食べられます。

※天ぷらの場合は、グルテンの少ない「薄力粉」を使用し、卵・水を加え、軽く衣をつけて揚げてください。





塩焼き

①串があれば、口から通し、波打つように串をうちます。
※串がなくても大丈夫です。

②鮎塩の肝は塩。乾いた塩を一尺の高さから均一に振ります。
※ヒレなどに化粧塩をしてもいいですが、ヒレもおいしく食べれますので、あまりオススメはしません。

③3分ほど予熱したグリルに鮎を並べて、弱火で10~15分様子を見ながらじっくり焼きます。
※弱火でじっくり焼くと頭まで食べることができます。





鮎飯(鮎ごはん)

[準備するもの]

米、塩、酒、みりん、醤油、鮎(量はお好みで100g以上の鮎なら、米一合に鮎1匹が目安)

①米を研ぐ。洗った米をザルにとり水気を切って置いておく。水につけておくと、水分が多すぎになるため

②鮎を塩焼きにする。
塩を振ってコンロで鮎の両面を焼く。鮎は大きさによるが、片面約9分づつくらい焼く。

③米一合につき、醤油、みりん、酒を大さじ一杯ずつ準備する。調味料を含めて、米一合につき水一合となるように水を入れる。塩焼きにした鮎をそのまま乗せて炊く。炊飯器でも土鍋でもOK

④炊き上がったら、しばらく蒸して、蓋を一瞬開け、塩焼きの鮎を取り出す。取り出した鮎の身をほぐす。このとき、あばらの小骨もきちんと取り除く。メスの場合は、卵も取り出し、ほぐし身とあわせて集めておく。

⑤炊き上がったご飯にほぐし身を戻し、かき混ぜて完成!











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